宇宙人の画家

film

監督・編集・動画:保谷聖耀
出演:渡邊邦彦、丸山由生立、呂布000カルマ、桐山瑠衣、大迫茂生、シソンヌじろう、平澤由理、みやたに、稲生平太郎、近藤佑磨、杉本心、グーギンズ古田光、山本詩、阿部賢太、石澤彩、速水胡太朗、小林優太、菅原聡、高井咲綺、吉本恵莉菜

公式サイトはこちら→https://www.eiganokai.com/alienartist/

雑然な感じ。それは混沌と言っても良い。この映画を観た時、誰もがそう思うだろう。何一つ整っているものがない。あえて言えば、それは夢の中の瓦礫、綺麗なゴミ屋敷だ。独特な魅力がある。初期衝動というか、何か、切羽詰まった感じのものが迫ってくる。そして、そう感じるのは、この映画のストーリーが直線的に進まないからだ。話は必要以上に絡み合って、途中で切れている。だが、それが作品に余白を生み出し、豊かなものにしている。

ストーリーと違った形でこの映画の構造を表現するならば、カラーパート・モノクロパート・アニメーションパートと3つに分割される。後半のアニメーションパートの熱量には圧倒される。テクニックではなく、熱量だ。この部分が『切羽詰まった感じのもの』と自分に思わせたのだろう。カラーパートはほぼ大人が演じている。呂布000カルマ演じる虚無ダルマと、その一味である、大迫茂生、シソンヌじろう、みやたに、の3人が謎の組織の緊張感を紡ぎ出す。一方、モノクロパートは、子供が中心でフォトモンタージュ的な手法を多用しているが、内容はカラーパート以上に極めて残酷だ。あえて詳細な演出はせずに、セリフ回しを素人然としたことが、その残酷さを和らげている。

宇宙人の画家が描いた絵は唯々白く光って見えた。それは作者が見せた余白であり、観客の想像力そのものを喚起する場所なのだろう。もしかしたら宇宙人とは我々見る側を指しているのかもしれない。

多分、時の経過と共に評価が上がっていく作品だと思う。エンターテイメント的なものではなく、もっと違った形で。深読みなど必要ないが、深い映画だ。

呂布カルマの"悪い夢"
呂布カルマの"悪い夢"をApple Musicで聴こう。2018年年。時間:4:54
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