ロスバンド

film
監督 : クリスティアン・ロー 出演:ターゲ・ホグネス、ヤコブ・ディールード、ティリル・マリエ・ホイスタ・バルゲル、ヨナス・ホフ・オフテブロー 他
原題 : LOS BANDO

公式サイトはこちら⇒https://www.culturallife.jp/losbando

『バンド』+『ロードムービー』!予想通り、掛け算の面白さ。王道のストーリー展開の中、登場人物が魅力的に動く。特にティルダ役のティリル・マリエ・ホイスタはすごい。演技なのか、演出なのか、この時この瞬間にしか出せない表情。ロックの生き死になんて関係ない若者たちの短い旅。

見る前からストーリーの展開は見えていた。実際に見ても完全に予想したとうり。でもなぜか魅力的な映画だ。

まず、バンドアンサンブルが良い。エレキギター、ドラム、そしてチェロ。ベースやキーボードがいない。そこにメンバーの年齢差を加えることでありきたりのバンドではなく、各々の個性が際立った唯一無二のバンド形式にしている。移動の車中でも様々な曲が流れるが、やはり『Kill Death Destroy』はもう一回聴きたくなる曲。※ちなみにApple Musicでこの映画のサウンドトラックを聞くことができる。

Eirik Myhrの「Los Bando (Original Motion Picture Soundtrack)」
アルバム・2018年・27曲

スクリーンの中で4人がみせるちょっとした表情の変化が儚い時間を表現する。これは演出のうまさ以外何ものでもないと思う。大袈裟に感じないぎりぎりを攻めている。一方。ふてくされながらも、時には音楽に合わせて踊り、叫ぶ、9歳チェロ少女(ティルダ)の奔放さが目立つ。これがなければ全く別の映画になっていただろう。

最も年齢が高いドライバーのマッティン(ヨナス・ホフ・オフテブロー)が他3人にみせる”優しさ”や、彼らを見守る”態度”もいいアクセントになっている。ここでは詳細は書かないが、コンテストが終わった後の4人も印象深い。

彼らはキャンピングカーで走る。ロックコンテストがある国境の反対側を目指して。そこには、ロックの死など関係ない、まさに今を生きているバンドの、演奏している4人の、命が見える。

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